ニキビ治療薬イソトレチノインで眼の愁訴増加と関連
2023.06.14
国際部
ニキビ患者のマイボーム腺に対する経口イソトレチノインの効果を検討した結果が6月10日、「Ophthalmology and therapy」オンラインに掲載された。
経口イソトレチノイン療法は、尋常性ざ瘡(ニキビ)の治療においてマイボーム腺の機能と形態に一時的な変化を引き起こし、眼の不快感を増加させる。今回の研究では、24人のニキビ患者(48眼)を対象に、治療前、治療中、治療後に眼科検査を実施。瞬き率、眼瞼縁異常スコア(LAS)、涙液膜破壊時間(TFBUT)およびシルマー試験、マイボーム腺喪失(MGL)の分析、およびマイバム品質スコアの評価 (MQS) およびマイバム表現性スコア (MES)、眼表面疾患指数 (OSDI) アンケートの合計スコアを分析した。
その結果、治療前との比較で、治療中および治療後にOSDIの有意な増加が観察された。MGL、MQS、LASでは治療中の大幅な悪化が観察されたものの、イソトレチノイン中止後はこれらのパラメータの改善が観察された。人工点眼薬の使用頻度は、治療中および治療中止後のMGLと正の相関があった。マイボーム腺の萎縮は、治療中および治療後のMQSと有意に相関していた。TFBUT値の減少は、イソトレチノイン使用中のLASの増加と相関していた。シルマー検査や瞬き率に変化は見られなかった。