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専門家が警告、ナノシルバーが危ない

南デンマーク大学は2月27日、ナノシルバー(銀ナノ粒子)は人間の皮膚を通して細胞に浸透し、ダメージを与える可能性があるという新しい研究結果を発表した。

ナノシルバーは抗菌作用に優れ、栄養補助食品、化粧品、食品包装、また、歯ブラシ、衣料品、冷蔵庫や洗濯機などにも利用されている。中でも、ナノシルバーを使用した飲料ボトルやパッケージなどに接触した食品を摂取することで、体内に入る可能性が大きいという。

同大学生物化学・分子生物学学部の準教授のFrank Kjeldsen氏とThiago Verano-Braga博士は、ヒトの腸を調べ「腸内で、フリーラジカル(活性酸素)と呼ばれる、有害物質の形成に関与していることが確認でき、たんぱく質の量やタイプを変化させることが分かった」と、ナノシルバーの使用に懸念を示した。

過剰に生産されたフリーラジカルは、がん、アルツハイマー、パーキンソン病を引き起こす可能性が指摘されている。「人体に安全なナノシルバーの量が確定されていないため、ナノシルバーの摂取が直接、がんなどの疾患の原因になるということは結論できないが、細胞内にフリーラジカルが生産されていることを考えると、私たちはその摂取には慎重にならざるを得ない」。

ナノシルバーは、抗インフルエンザやがんの抑制効果があるサプリメントとして販売されている。また、血球数を上げ、肌への良い効果も期待されているが、EUではナノシルバーの医療効果をうたった食品の販売は許可されていない。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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