OEMのメリット・デメリットは?~発注・受注両者にアンケート
2014.07.10
編集部
株式会社美容経済新聞社(東京都港区六本木)はこのほど、OEM化粧品について受注側と発注側の意識調査を行い、7月10日、結果を発表した。調査はOEMメーカー(受託側)とこだわり化粧品への意識の高いエステサロン経営者ら(委託側)の双方へアンケートを行った。
調べでは、受注側のOEMメーカーは、長年培ってきた自社の研究開発力や技術力が強みで、オリジナル原料を組み合わせた処方提案が他社との差別化ポイントだと認識している(グラフ)。
OEM事業については、原料メーカーとしてのノウハウを活かすことができる効率的な事業とみている一方、スケジュールや納品時期、また安定的な工場稼動ができないなど、「クライアントに因るところが多い」ことがデメリットとして挙げられた(グラフ)。
一方、発注側については、こだわり化粧品についての関心が高いエステティックサロンを対象に調査した。
調査結果では、委託側(エステティックサロン経営者ら)のエステティックサロンは、エステティック用として販売されている化粧品を利用しているが、オリジナル化粧品に対して63%が関心を持っており、サロンコンセプトを表現する手段として、自社オリジナルやこだわりの化粧品に対する関心は高い(グラフ)。
しかし、作ると想定した場合、理想では自分のイメージ通りの化粧品を作るため原料や処方にこだわるメーカーを望んでいるが、実際は、現実的な少量対応を望んでいる。
また、作りたくないという人たちの多くがOEMに対しての理解が少なく、「お金 がかかりそう」 「大変そう」とネガティブな印象を持っていることが判明した(グラフ)。
同調査部は、オリジナル化粧品に対する関心はあるので、OEMへの理解度を高め、ネガティブな印象を払拭することが必要。認知度を高めてOEMが身近になれば、新規市場開拓の可能性があるとみている。
OEM事業者らは、OEM事業は今後も拡大していくとみている。化粧品市場は成熟市場なので急激な伸びは期待できないことから、OEM事業者同士の競争は厳しくなると想定される。
同調査部は、受注が安定しない・営業が大変というOEMメーカーのデメリットを軽減するには、「料金体系や開発フローを明白にし、モデルケースで必要コストをシミュレーションできるようにするなど、化粧品OEMについてわかりやすく情報発信する姿勢を示すことも大切」とまとめている。
- 参考リンク
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OEM化粧品に関する調査2014