お香の煙は有害か?
2015.09.2
国際部
英国の大衆紙デイリー・テレグラフに掲載された「研究によれば、お香の有毒煙について警告が必要かもしれない」という記事に対して、国民保健サービス(National Health Service:NHS)の研究者らが8月26日、サイトにコメントを掲載した。
今回、テレグラフに取り上げられた研究での結果は、お香からも肺の健康に影響を与える微粒子や化学化合物が排出されることを発見している。しかしこれは驚くべきことではなく、調理でもタバコでもお香でも煙が出るとそこには微粒子が生成される。
お香の煙がタバコの煙より有害という説は慎重に扱われるべきで、今回の実験ではサンプルはお香4種、タバコ1種と少なく、またDNAに対するお香の影響も異なるものが出されている。実験室での成果と、実際に生きている人間への効果は別物でもある。また、お香の煙は部屋に漂ったものを吸い、タバコの煙は直接肺に入るという点でも異なっている。
NHSの研究者らはまた、お香がタバコより危険というのは、タバコメーカーへの利益誘導にもなりかねないと懸念している。しかし、肺が弱い人などはお香の使用を避けるべきともしている。
NHSは英国の国営医療サービス事業。大衆紙やテレビなどで出される大げさな、または誤解を招くような内容の健康関連の記事や報道に対して、しばしばこのようにコメントを出している。