「大麦若葉末」によるαディフェンシンの分泌促進を確認
2015.09.24
編集部
株式会社東洋新薬(福岡県福岡市)は、北海道大学の綾部時芳教授、中村公則准教授と共同で、「大麦若葉末」のαディフェンシン分泌促進作用を確認し、腸内の病原菌殺菌作用が示唆されたことを、日本食品科学工学会第62回大会において発表した。
「大麦若葉末」は、イネ科オオムギの若葉部を乾燥、微粉砕加工した機能性食品素材。ヒト試験において、便通改善作用を有することを確認している。さらに、大腸癌抑制作用、潰瘍性大腸炎抑制作用、腸内環境改善作用など消化管の免疫機能を亢進させることも確認 しているため、今回は腸内でサルモネラ菌などの“病原菌”に対して殺菌作用を示すαディフェンシンに着目し、大麦若葉末の摂取がαディフェンシンの分泌に与える影響を動物試験で検証するとともに、そのメカニズムについて細胞試験で検証した。
αディフェンシンは、腸内の病原菌を排除し、腸内フローラを制御することが知られている抗菌ペプチドの一種。小腸陰窩(いんか)に存在するパネト細胞から分泌され、ビフィズス菌などの“常在菌”にはほとんど作用せず、サルモネラ菌などの外来性の“病原菌”に対して強い殺菌作用を示すという選択的機能で、腸内環境の維持に寄与している。そのため近年、自然免疫のキープレイヤーとして注目されている。
- 参考リンク
- 株式会社東洋新薬