【連載】化粧品・美容関連ベンチャー企業の成長軌跡【30】バーネットインタ―ナショナル① ~補助金、投資、社債発行など多面的な資金調達を実践~
2016.11.14
編集部
大阪府立大発ベンチャー企業の株式会社バーネットインタ―ナショナル(大阪府大阪市、社長 東信治氏)は、会社設立(1999年3月)以来、補助金の活用やベンチャーキャピタルからの投資を受け入れる一方、第3者割当増資による資金調達に力を入れるなど財務内容の強化を図ってきた。
同社は、現社長が脱サラして1999年に独立・起業したバイオベンチャー。同社と大阪府立大との共同発明による健康と美容に有効な大豆成分「ソイファン」はバイオ技術で「オカラ」から抽出した機能性成分で、水溶性食物繊維やサボニンなどを含む純植物性の新素材。
この新素材を活用した化粧品、サプリメント、医薬品などを開発する目的で、政府のベンチャー金融支援制度に基づく補助金の活用やベンチャーキャピタル(VC)からの投資受け入れ、第3者割当増資など積極的な資金調達を行った。
同社の歴史は、まさに資金調達による財務の安定化と事業発展の歴史であり資金調達の多様化は、他社を凌駕する多さを誇る。
政府は、ベンチャーの排出と経済の活性化を目的に中小創造法、経営革新法などの法律に基づくベンチャー金融支援制度を打ち出して、新技術・新製品開発に関わる補助金交付を行ってきた。
同社は、これらの補助金を活用して新製品を開発するため、2001年から2003年の3年間に研究開発テーマを変えて同法律に準拠した事業認定申請を行い、4回の補助金交付を受けた。
政府の研究開発補助金活用に加えて、2004年からファンドやキャピタルから投資や転換社債による投資など外部資本の受け入れを行った。転換社債による投資は、社債発行企業の株価が一定額以上に上昇した時、株式に交換できる権利が付いている社債。社債としての元本保証性を維持しながら、株価上昇のリターンも享受できる可能性がある権利付き社債。2005年2月には、大阪中小投資育成株式会社から投資を受けている。
第3者割当増資による資金調達も活発に行った。同社が最初に第3者割当増資を行ったのは、2002年9月で2550万円の資金を手当てした。以後、2回の増資を行い、合計4200万円の資金を手にした。
第3者割当増資は、株主であるか否かを問わず、特定の第三者に新株を引き受ける権利を与えておこなう増資のこと。 株式を引き受ける申し込みをした者に対しては、新株もしくは会社が処分する自己株式が割り当てられる。 第3者割当増資は、会社の株主資本を充実させ、財務内容を健全化させる。