世界の美容とヘルスケアビジネス情報を配信

FEATURED

注目の企画

BUSINESS

テストステロンブースターに過剰な期待は禁物?

テストステロンサプリメントの効果には学術的に裏付けがとれなかったという調査結果が614日、「The World Journal of Men’s Health」オンラインに掲載された。

University of Southern Californiaの研究者らは、男性ホルモンの一種テストステロンのレベルを改善するためのサプリメント「テストステロンブースター」の成分と広告にある文言を科学的に評価した。50種類の「テストステロンブースター」サプリメントを対象に、グーグルで検索された有効成分と製品の特徴について評価した。学術的裏付けとしてはPubMedを用いて関連論文を検索・レビューし、各成分について推奨1日当たり許容量(RDA)および上限許容摂取量レベル(UL)を検討した。

その結果、サプリメントの90%で「テストステロンレベルを高める」、50%で「性欲を改善する」、48%で「力がみなぎる」と書かれていた。固有のコンポーネント199個が確認でき、1製品当たりでは平均8.3個だった。PubMedからは、論文の24.8%でサプリメント投与量の増加に伴ってのテストステロンレベルの増加を示すデータ、10.1%でテストステロンレベルの減少を示すデータ、18.3%でテストステロンレベルの変化を示さないデータが提示された。サプリメントは、ビタミンB 12RDAの中央値1291%、ビタミンB 6807.6%、亜鉛272%、ビタミンB 5200%、およびビタミンB 3187.5%が含まれていた。13製品から米国食品医薬品局のULを超える成分が検出された(亜鉛、ビタミンB 3、およびマグネシウム)。

サプリメントの90%がテストステロンレベルを高めるとしていたものの、これらの主張を裏付けるデータを持っていたのは24.8%にすぎなかった。合計10.1%が、テストステロンに対する悪影響を示唆するデータを含む成分を含んでいた。多くのサプリメントで、ビタミンやミネラルが過剰に含まれており、これらのことを利用者に伝える必要があると研究者らは述べている。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

  • Byline
  • New

橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

  1. 男性・家族歴・重症度でニキビ瘢痕有病率に差異

  2. ニキビへの新技術Photopneumatic Technology

  3. 時間制限食とカロリー制限食の減量効果に差なし

PR
RECOMMEND

RELATED

気になるなら一緒に読んでほしい関連記事

PAGE TOP