ファンケル、「DDR2」がコラーゲン線維形成を最も促進する

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2018.09.20

編集部

株式会社ファンケル(神奈川県横浜市)は、細胞とコラーゲンを接着させるコラーゲン受容体タンパク質「DDR2」が、種々存在するコラーゲン受容体の中で、コラーゲン線維の形成を最も促進させることを発見した。この発見は、シワやたるみのメカニズムの一因を示すもので、今後のエイジングケアに役立てていくことができるとしている。

皮膚の線維芽細胞には、「DDR2」のほか、インテグリンβ1、Endo 180という3種類のコラーゲン受容体が存在している。これらのコラーゲン受容体は、紫外線などでダメージを受けたコラーゲンを認識し、ダメージを受けたコラーゲンを排出する代謝に関係していることはわかっていた。

しかし、コラーゲン線維の形成に対する関連性はわかっていなかった。そこで、この3種のコラーゲン受容体の発現量をそれぞれ少なくした線維芽細胞を作成し、コラーゲンの線維形成との関連性について検証した。

その結果、いずれの受容体も発現量を減少させていないコントロール細胞と比較すると、「DDR2」を減少させた細胞では約50%、インテグリンβ1を減少させた細胞では約24%のコラーゲン線維形成が抑制されていた。

一方、Endo 180を減少させた細胞では、約17%増加していた。以上のことから、3種のコラーゲン受容体で「DDR2」がコラーゲンの線維形成に最も影響することがわかった。また、「DDR2」が減少するとコラーゲン線維も減少することから、真皮のハリ低下の一因になる可能性も考えられた。

「DDR2」の量が減少すると、コラーゲン線維が減少し、真皮のハリと弾力の低下につながる可能性がわかった。そこで、「DDR2」の発現量を人工的に増加させた細胞を作成し、コラーゲン線維の形成について調べた。

「DDR2」の発現量を操作していないコントロール細胞と比較し、「DDR2」を過剰に発現させた細胞は、コラーゲン線維の形成が促進され、コラーゲン線維量が約12倍にも増加した。このことから、コラーゲン産生力が低下した細胞の再生には、「DDR2」の産生量を増やすことが効果的であると付論づけた。

同社ではさらに「DDR2」の研究を行い、月見草(植物名:メマツヨイグサ)のエキスに「DDR2」の発現量を増加し、コラーゲンの線維形成量も増加することも発見した。これらの結果は、コラーゲンの質にまでこだわりながら、再生を促すことが期待できるスキンケア製品の開発に応用したとしている。

参考リンク
株式会社ファンケル

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