銀ナノ粒子の長期有害性を調査

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2018.09.26

国際部

銀ナノ粒子は水生生物にとって有毒であるという研究結果が9月18日、スペインバスク自治州のUniversity of the Basque Countryからプレスリリースされた。銀ナノ粒子は抗菌力があり、石けんや化粧品の防腐剤としても使用されている。

同大学の研究チームは、銀ナノ粒子への曝露によって長期的にゼブラフィッシュがどのように影響されるかを分析した。ゼブラフィッシュはヒトに似たゲノムを持つ魚で、繁殖力が強く、飼育が簡単なため、ヒトの疾患またその治療法の研究に多用されている。1グループ50~60匹のゼブラフィッシュの3つのグループが、それぞれ3つの水槽で飼育された。1つのグループには硝酸銀を加えて水溶性銀を生成させた。もう1つのグループには水槽に 20nmの銀ナノ粒子(NP Ag)を加えた。銀に対する長期曝露の影響を調べる目的で21日間をこの水槽で飼育し、その後6ヵ月は銀を含まない水で飼育した。最期のグループは銀粒子を加えない水で飼育し、これを対照グループとした。

その結果、銀ナノ粒子が魚の体内器官の金属分布に影響を与えることがわかった。銀を含まない水で6ヵ月間飼育した後、体内に蓄積された銀は浄化されたが、金属に曝露された後にはゼブラフィッシュのエラに炎症が残っていることが確認された。

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