メタボ用サプリの効果に男女差あり

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2018.10.10

国際部

メタボリックシンドロームの根底にあるとされるインスリン抵抗性には男女差があり、男性は女性よりも肥満および内臓脂肪蓄積が多いことが観察されている。しかし、腹部内臓脂肪の蓄積によって引き起こされるメタボリックシンドロームの罹患率は、若年女性で上昇しているという報告もある。これまで、この性差に関しての動物モデルでの研究は、主にオスを中心に行われてきた。今回、メスのマウスに植物由来のサプリメントを与えることによる脂肪蓄積への影響を評価した結果が9月12日、「Biology of Sex Differences」オンラインに掲載された」。

マウスに摂取させる植物由来抽出物として、キク科ヨモギ属のハーブであるタラゴン(Artemisia dracunculus L.)と、ウリ科の植物でニガウリやゴーヤとして野菜として利用されているツルレイシ(Momordica charantia)を選定した。これらの抽出物からなるサプリメントの食事時の摂取が、骨格筋における肥満誘発インスリン抵抗性および代謝の不安定性を改善することができるかを評価した。

その結果、タラゴン抽出物の摂取は体重および肥満脂肪の増加をもたらしたが、ニガウリ抽出物はこれらの変化をもたらさなかったことがわかった。糖代謝の改善を評価するピルビン酸負荷試験では、タラゴン及びニガウリのどちらも肝臓のグルコース産生を増加させることが示された。また、脂肪酸酸化の有意な抑制を誘導し、代謝柔軟性(metabolic flexibility)が増強されたことも示された。 タラゴン抽出物は骨格筋における脂質蓄積を減少させたが、ニガウリ抽出物は骨格筋および肝臓における脂質蓄積の低下傾向をもたらし、これは肝臓でのオートファジーの転写調節を伴っていた。これらの結果は、以前に行われたオスのマウスへのタラゴン及びニガウリ抽出物の影響と比較して、好ましい影響は少なかった。メタボリックシンドロームへの効果を狙った栄養補助食品への反応における性差を考慮する重要性が示されたと研究者らは述べている。

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