乳房痛と乳がんの関連は弱い

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2019.05.10

国際部

乳房の痛みとがんの関連性は弱いという研究報告が5510日にハワイで開催の2019 ARRS (American Roentgen Ray Society Annual Meeting)で発表予定。ARRS(米国レントゲン線学会)は1900年創立の米国で最も古い放射線学会で、年1回の学術集会と学会誌The monthly American Journal of Roentgenology (AJR)およびThe quarterly ARRS InPractice  magazineの発刊、放射線医学者への奨学金の授与などの活動を行っている。

今回の調査は、乳房痛に対する臨床医と放射線医のアプローチの違いを検討した。米Emory Universityの研究者らによるこの報告は、オンラインでの11の質問への回答とし、1100人の臨床医が参加した。39%の医師から回答があり、そのうち57%が実際に乳房痛の治療を行っていた。その結果、回答者の90%以上が乳房痛の治療に問題はないと感じていた。72%が乳房痛とがんの間に弱い関連があると考えていた。48%が問題がないことの確認のためだけに画像撮影を依頼し、痛みの原因特定のために組織評価を依頼していた。また、限局性で持続性の乳房疼痛のある40歳超の女性例では、放射線医71%、臨床医35%がマンモグラフィと集束超音波の併用を依頼、80%の臨床医が限局性で一象限の乳房疼痛例ではある種の画像検査を依頼する。

乳房の痛みはあらゆる年齢の女性でみられるが、乳房の痛みと乳がんとには相関関係がないことが既発表の研究で示されている。しかし、実際には乳房痛は臨床医からの画像診断の依頼が多く、不要な検査を減らす教育も必要と研究者らは述べている。

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