体重の増加が脳血流の低下と関連
2020.08.13
国際部
体重は考えられている以上に脳機能に影響する可能性があるという研究の「Journal of Alzheimer’s Disease」への掲載が8月5日、オランダの学術出版社IOS Pressからニュースリリースされた。
研究は1万7000人以上を対象とする、肥満と脳機能障害の関連を検討する世界最大規模の研究のひとつ。参加者個々の脳の単一光子放射型コンピューター断層撮影(SPECT)を用いて機能的ニューロイメージングスキャンを分析し、血流と脳活動を測定した。
脳血流の低下はアルツハイマー病発症の予測因子であり、うつ病、ADHD、双極性障害、統合失調症、外傷性脳損傷、自殺などとの関連も示唆されている。研究では、脳血流の低下は正常体重から過体重、肥満、病的肥満のすべてのカテゴリーで確認された。しかし、特にアルツハイマー病との関連が示唆されている側頭葉、頭頂葉、海馬などの血流は肥満度が上がるほど低下する傾向が確認された。研究者らは今回の研究が、肥満が脳への血液供給を変化させて脳を縮小させ、アルツハイマー病を促進するという説得力のある証拠を提供していると述べ、アルツハイマー病は生活習慣病であると認識できるとしている。