ストレス骨折は女性ランナーで多い

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2020.08.19

国際部

女性ランナーのストレス骨折リスクが高い原因を調査した結果が8月10日、米Thomas Jefferson Universityからニュースリリースされた。

女性は男性比べレクリエーションランナーが多く、2018年全国調査ではランナーの54%が女性だったと報告されている。女性ランナーの特徴として、ストレス骨折の発生が男性の2倍以上ということが知られているが、女性のストレス骨折の予防および治療についての情報はまだ不足している。これまでの研究はエリートランナーまたはアスリートに焦点を当てたもので、レクリエーションランナーを対象にしたものはほとんどなかった。

今回の同大学研究者らが発表した新しい研究2本では、ストレス骨折の生理学的リスク要因と、予防を支援するトレーニングアプローチの変更が示唆された。対象を18~65歳の女性レクリエーションランナー40人とした。うち20人はストレス骨折の既往があり、既往のない20人とマッチさせた。骨の構造と密度、筋肉量、ホルモンの状態などの生理学的要因から、トレーニング強度、栄養、不十分な強化などのトレーニングルーチンによって影響を受けるものまで、ストレス骨折のリスクに寄与するものの評価を目的とした。

その結果、ストレス骨折既往グループと既往なしグループではエストラジオールホルモンレベルに差はなかったものの、既往グループでは月経不順が多く生じていた。また、ストレス骨折既往のない女性と比較して、既往のある女性は股関節骨ミネラル密度が低く、骨の強度が低下して怪我のリスクが高まっていることがわかった。対象者へのインタビューからは、ストレス骨折既往のある女性の方がトレーニング負荷をより早く増加させていることが認められた。また、ランニングレジメンを補完するバランスの取れた食事と適切なクロストレーニングを行っていない、または行う時間がないことを報告する人が多かった。研究者らは女性のストレス骨折予防のために、ヘルスケアプロバイダー(医師、看護師など医療関係者全体)から、多くのガイダンスが必要であるとしている。

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