マンダム、水相内に複数かつ大量のオイルを含むオイルゲルの形成に成功

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2021.10.11

編集部

株式会社マンダム(大阪市中央区/代表取締役社長執行役員:西村 健)は10月4日、混ざりにくい植物油とシリコーン油を混合させる技術に加え、保湿剤を含んだ水相に、植物油とシリコーン油の混合オイルを大量に含ませるO/LC(高内相液晶)型のオイルゲル形成に成功したと発表した。

これにより、「毛髪にべたつきのないサラサラの感触を与えつつ、うねりやくせを抑制し、まとまりを付与できるヘアオイル製剤」の開発が可能になった。

この研究技術の成果はすでに、2021年8月発売の「ルシードエル オイルトリートメント #EXヘアオイル うねり・くせケア」に応用されている。

同社はまず、化学的性質が異なるために混ざり合わない「うねりやくせを抑制し毛髪をまとめる効果が高い植物油」と「サラサラで使用感の良いシリコーン油」との親和性が高い油を研究した。

その結果、両社の仲を取り持つ役割を果たす油(バインダーオイル)を発見した。このバインダーオイルを用いることで、2種のオイルを相互溶解することが可能となり、1相の混合オイル(均一混合オイル)の開発に成功した(図1/左) 2相分離した植物油(クランベアビシニカ種子油)とシリコーン油、右) バインダーオイルで1相混合した植物油(クランベアビシニカ種子油)とシリコーン油)。

次に同社は、うねりやくせを抑制し毛髪を自然にまとめる能力を向上させ、べたつきを低減するためには、オイルに保湿剤を配合することが有用だと考えた。

そこで、今回オイル様外観を有しながらオイルの利点を発揮できる製剤として、特定の界面活性剤と水やグリセリンで形成した保湿ゲルに、均一混合オイルを大量に含ませた混合オイル内包型のO/LCオイルゲル(高内相液晶オイルゲル)の形成に取り組み、その形成に成功した(図2/高内相液晶オイルゲルのA)外観とB)顕微鏡画像)。

そして、これらの研究成果に対して、高内相液晶オイルゲル製剤(開発製剤)を毛束に塗布し、機能性および使用性を次のような方法で評価した。

●うねりやくせを抑制し、毛髪をまとめる効果(図3)
30cmのブリーチ毛束に、開発製剤および比較品を一定量塗布し、状態を確認。
●べたつき(図3)


10cmの平毛束に、開発製剤および比較品を一定量塗布した後、木くずをふりかけ、状態を確認。
●うねり・くせのばしの維持(図4/開発製剤(高内相液晶オイルゲル)のうねり・くせのばしの維持の効果)


「うねり・くせ」に対して、ヘアアイロンなどの熱機器で対処する使用シーンを想定し、パーマネントウェーブ処理を行った30cmカール毛束に、開発製剤および比較品を一定量塗布後、180℃のヘアアイロンでストレートにスタイリングし、35℃、湿度80%下で10時間放置した後、状態を確認。

その結果、開発製剤は、植物油やシリコーン油、均一混合オイルを塗布した場合よりも、うねりやくせを抑制して毛髪をまとめる能力が高く、べたつき感も少ないことを確認した。

また、うねり・くせのばしの維持評価に関して、均一混合オイルよりも開発製剤を塗布した場合の方が、カール戻りが比較的起こりづらく、均一混合オイルよりもうねり・くせをのばした状態を維持できていたことがわかった。

さらに今回は、毛髪のうねりやくせを抑制し自然なまとまりを付与でき、従来よりもべたつきが少なくサラサラとした使用感のヘアオイルの開発をすすめた結果、開発製剤で求めていた機能性・使用感を実現するとともに、ヘアアイロンなどの熱機器を使用した際にはうねり・くせをのばした状態を維持できることもわかった。

今後について同社は、複数のオイルを含む高内相液晶オイルゲル形成技術の製品応用をすすめ、生活者により快適に使用できるヘアオイル製剤技術の進化、深化を図っていくとしている。

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