ホーユー、藤田医科大学との共同研究で、ヘアカラーの即時型アレルギー診断に有用な特異的IgE抗体検査法を確立

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2021.11.30

編集部

ホーユー株式会社(愛知県名古屋市/代表取締役 社長執行役員:水野 真紀夫)は11月25日、学校法人藤田学園 藤田医科大学(愛知県豊明市/理事長:星長清隆/学長:湯澤由紀夫)との共同研究成果として、「ヘアカラーの即時型アレルギー診断に有用な特異的IgE抗体検査法」を確立したと発表した。

抗原特異的IgE抗体※1検査は、アレルギーの原因となる抗原(アレルゲン)と反応する、血液中のIgE抗体を確認する検査だが、IgE抗体はアレルギーのもととなるヘアカラーの低分子化合物を直接認識することはできない。

※1:IgE抗体とは即時型アレルギー反応に関与する抗体で、アレルゲンによる感作がおこると、そのアレルゲンにだけ結合することができる特異的IgE抗体が作られ、再び体内にアレルゲンが入るとアレルギー症状が引き起こされる。

ホーユー イノベーションセンター外観

そのため、ヘアカラーによる即時型アレルギーでは、低分子のヘアカラー成分が体内のタンパク質と結合したものをIgE抗体が認識すると考えられているものの、IgE抗体が検査に応用された例はなかった。

そこで、同研究では、代表的な酸化染料であるパラフェニレンジアミンとタンパク質の結合条件、抗原・抗体反応条件の最適化と検査方法の構築を行った。その結果、構築した特異的IgE抗体の検査法が、ヘアカラーによる即時型アレルギーの診断に有用であることが確認できた。

また、同検査法では、従来の診断のため皮膚テスト(オープンテストやプリックテスト ※2)とは異なり、採血のみの負担となるため、診療現場での負担軽減への貢献も期待されるという。

※2:プリックテストとは専用針により少量のアレルゲンを皮膚に入れ、15~20 分後に出現した膨疹径を測定して判定する即時型アレルギー反応の検査方法。

同社は、この成果をもとに、アレルギーに関するさらなる研究を行っていくとしている。

なお、今までのアレルギー研究についての研究成果は下記URLよりご確認することができる。

https://www.hoyu.co.jp/corporate/research/academic/

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