喫煙による眼への一過性有害効果
2022.04.27
国際部
喫煙による眼に対する即時または短期的効果を検証した結果が4月6日、「Contact Lens & Anterior Eye」オンラインに掲載された。
今回の試験では、紙巻きたばこの習慣的喫煙者45人(平均年齢22.0±4.4歳)を対象に、喫煙5分以内の涙液層、瞳孔サイズおよび眼の調整能を評価。涙液層の解析には、涙液層破壊時間、涙液油層の厚み、涙液メニスカス高の3つの測定値を用いた。
その結果、涙液層破壊時間は全3種の評価方法で評価し、低下度は統計的有意だった(P<0.001)。油層厚の低下が使用された2つの評価方法で認められ、統計的有意だった(P<0.01)。瞳孔サイズ(P<0.01)および遠近調節力(P<0.001)の有意な低下が紙巻きたばこ喫煙後に認められた。喫煙前と後での涙液メニスカス高および焦点深度曲線の差は統計的有意ではなかった(P>0.05)。これらの結果から、喫煙には一過性と考えられる涙液層破壊時間および眼の遠近調節力に対する即時の有害効果を有することが示された。