仏Ynsect、食用小形ミールワームの生産増強へ
2022.07.11
国際部
フランスのタンパク質開発会社Ynsectは、5日、欧州食品安全機関(EFSA)が、人の食用としての小形ミールワーム(ガイマイゴミムシダマシ)を暫定的に許可したことを受けて、新しい欧州市場全体での商品化を加速すると発表した。持続可能性維持と気候変動対策目標達成の栄養豊富で有効な手段として昆虫の食用が新たな後押しを受け、小形ミールワームはEFSAから肯定的な評価を受けた4番目の昆虫となる。
同社はすでに、小形ミールワーム(「AdalbaPro」のブランド)を使った材料を販売している。オーストリアのスーパーマーケットBILLAでシリアルバーなどの商品を販売するほか、デンマークでは甲虫製のグルメバーガーの材料に採用されている。今後、EU市場全体で高まる需要に対応するため生産増強を早める。
2022年4月に英国、米国、オランダ、フランスでOnePollに委託して実施した調査では、全回答者の5分の3近く(57%)が、環境と健康上の利点が説明されれば、昆虫を食べる意思を示した。昆虫や昆虫タンパク質をすでに食べたことがある調査対象の成人8326人の96%が、「気に入った」、あるいは「もう一度食べてみる」と回答している。
同社最高経営責任者(CEO)兼共同創業者のAntoine Hubert氏は「小形ミールワームが人の食用に安全とするEFSAの最近の評価は、当社にとって大きな前進。ミールワームのタンパク質は、動物性タンパク質と同じくらい栄養的に有益で、かつ環境への影響ははるかに小さいので、両方の利点をもたらす。ヘルシンキ大学の2022年の報告書は、大量の昆虫タンパク質を組み込んだ食事は消費者に高い栄養上の利益を与えつつ、環境への影響を80%以上削減する最適のソリューションを提供することを示した」などと述べている。