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豪州ティーツリーオイルの健康効果をレビュー

ティーツリーオイルの健康効果に関する無作為化比較試験の系統的レビューの結果が3月24日、「Front Pharmacol」オンラインに掲載された。

オーストラリアのティーツリーMelaleuca alternifoliaの葉は、先住民のオーストラリア人が傷、火傷、虫刺されの治療に伝統的に使用していたものである。M. alternifoliaから水蒸気蒸留されたエッセンシャルオイルであるティーツリー オイルは、その薬効成分で知られているが、ほとんどのアプリケーションでエビデンスは限られている。今回のレビューは、ティーツリーオイルの治療効果と安全性を検討した臨床試験からのエビデンスを批判的に評価することを目的とした。あらゆる年齢、性別、または健康状態の参加者による無作為化比較試験を検討し、歯科18件、皮膚科9件、感染症9件、眼科6件、足病3件、その他1件の46件の試験を分析対象とした。

その結果、0.2~0.5%のティーツリーオイルを含む口内洗浄剤が歯垢の蓄積を制限する可能性があることを示した。歯周組織に直接適用される5%のティーツリーオイルを含むジェルは、スケーリングおよびルートプレーニングの補助療法として歯周炎の治療に役立つ可能性が認められた。 ニキビ病変と重症度の軽減、また皮膚の局所的な抗炎症効果を実証するためには、より多くのエビデンスが必要と思われた。ティーツリーオイルの局所投与レジメンは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌から体を除菌するための標準的な治療法と同様の効果を示したが、鼻腔内投与は粘膜に刺激を引き起こす可能性が示された。ヨウ素を添加したティーツリーオイルは、幼児の伝染性軟属腫(水いぼ)に効果的な治療法を提供する可能性が認められた。ニキビダニ駆除のためのティーツリーオイルワイプ(ふき取り)の有効性の実証には、より多くのエビデンスが必要と思われた。検討した研究の60%で副作用が報告されており、ティーツリーオイル濃度25%以上で局所的に適用された場合を除き、副作用は軽微だった。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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