糖分の摂りすぎは心臓病リスクを上げる
2014.02.6
編集部
特にダイエット中に気になる糖分の摂りすぎだが、米国で砂糖の摂取量と心臓病死亡率の関連を検討した研究結果が、2月3日「JAMA Internal Medicine」オンライン版に掲載された。
米国国民健康栄養調査(NHANES) の1988~94 年、1999~2004年、2005~10年のデータを基に、1988~2006年の死亡コホートと米国成人の代表サンプルを対象に調査・分析を実施した。
その結果、成人1日の摂取カロリーに占める砂糖からのカロリーの割合は、1988~94年の15.7%から、 1999~2004年には16.8%に増加、 2005~10年には14.9%に低下していた。 砂糖の消費量を基に5つの群に分けて消費量が一番少ない群を1とした場合の各群の心臓病による死亡ハザード比は、それぞれ1.07、1.18、1.38、2.03と、消費量が増えるに従って死亡の増加が見られた。研究者らは「米国成人のほとんどが健康的な食生活のために推奨されるよりも多くの砂糖を消費している。心臓病による死亡率と砂糖の消費量の上昇との間に有意な関係を観察した」と結論している。
虫歯の原因や体重が増える程度の影響と思われがちな砂糖の摂りすぎは、心臓病の増加という深刻な事態をも招く。米国での砂糖の消費は1970年代から40%以上増加しているとも言われ、また精製技術の進歩により砂糖が安価に入手できるようになったこと、さらに原材料に含まれているビタミン、ミネラル、繊維質などが除去され、砂糖の純度が上がったことなども、糖分の大量消費と関連があると見られている。砂糖は炭水化物の一種と考えられているため、砂糖単独での1日摂取量は明確な基準がなく、WHO(世界保健機構)では1日の総カロリーの10%以下、日本では基準は出されていないのが現状のようだ。