にきび薬アキュテインと炎症性腸疾患の関連が否定される

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2014.04.4

国際部

日本では未承認のにきび治療薬イソトレチノイン(販売名:アキュテイン)は、米国では1980年代より使用されている重症にきびへの治療薬で、医師により処方されている。いくつかの重篤な副作用もあり、妊娠中の服用で胎児に奇形が生じる、炎症性腸疾患、うつ病、口腔内や目などの粘膜の乾燥などが報告されている。

米国皮膚科学会(AAD)は3月21日、イソトレチノインの使用による炎症性腸疾患(IBD)のリスクはないとする最近の論文を紹介した。

イソトレチノインが炎症性腸疾患を引き起こすという知見は、2000年代の消化器関連学会のジャーナルで発表され、訴訟も起こるようになったという。しかし、最近の知見ではイソトレチノインが炎症性腸疾患の関連は否定されており、むしろ炎症性腸疾患と関連するとされる炎症性疾患が重症のにきびと関連しているとしている。

また、イソトレチノインの副作用として、注意欠陥多動性障害(ADHD)やうつ病などの精神科疾患が報告されているが、イソトレチノインはリスク増加に関連しない。さらにイソトレチノインで、気分変動が悪化する患者は1000人のうち約4人と少数であるとしている。

イソトレチノインは個人輸入が増加傾向にあるという。このため、医師の処方箋なしでは使用できないことなどを明記した米国食品医薬品局(FDA)の注意喚起文書の和訳が、日本の厚生労働省サイトに掲載されている。

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