睡眠時無呼吸症候群で、骨粗鬆症リスク2.7倍
2014.05.2
国際部
骨の構造がもろくなる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は女性に多く、60歳代女性の2人に1人はその症状を持っていると言われている。骨は代謝を行っており、古くなった部分を溶かし(骨吸収)、新しい骨を作る(骨形成)というはたらきを毎日行っている。溶かした分だけの骨を作れなくなったときに、骨粗鬆症が起こる。骨粗鬆症になると骨折の危険や、姿勢の悪化などが起こりやすくなる。今回、閉経後の女性に多く見られるこの骨粗鬆症の原因に、睡眠時無呼吸症候群があるとした研究結果が、「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」4月号に掲載された。
台湾で、2000-08年に骨粗鬆症と診断された1377人を調査。骨粗鬆症でない人と比べることで発症リスクなどを計算した。その結果、睡眠時無呼吸症候群の人は、そうでない人に比べ、骨粗鬆症リスクが2.7倍ということがわかった。このリスクは女性と高齢者でさらに高かった。研究者らは、睡眠時無呼吸により周期的にからだが酸素不足となるので、骨が弱くなり、骨粗鬆症リスクが高まると考えている。
骨粗鬆症の予防には、若い時からの運動とカルシウムの補給が良いとされている。運動は、バスケットボールなどのからだやひざに負担や衝撃のあるもの(ハイ・インパクト)が効果的で、その効果は長期間続く。学生時代に運動部だった人と、そうでない人が60歳になった時、運動部だった人の骨粗鬆症リスクが低かったという研究もある。カルシウム摂取は、摂取している間は効果があるが、摂取を止めると効果がなくなるという研究結果が多い。高齢になってからの予防ではなく、若い時からの注意が大事なようだ。