実はアンチエイジングに役立っていた「フリーラジカル」

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2014.05.17

国際部

老化の原因とされてきた「フリーラジカル」が、実は長寿と関係しているかも知れないという記事が5月8日、カナダのマクギル大学のサイトに掲載された。

人間の細胞を傷つけ、また殺してしまう物質とされてきた「フリーラジカル」。活性酸素などに代表されるこれらの物質は、ストレスや喫煙、大気汚染などの影響を受けて体内で発生する。フリーラジカルによって傷つけられた細胞は老化が進み、寿命を短くするというのがこれまでの定説だった。

今回の研究では、実験によく利用される、体長約1mmの透明な線虫Caenorhabditis elegansをモデル動物として用いた。観察の結果、線虫の中で起こったフリーラジカルは、細胞の自然死とも呼ばれるアポトーシスに影響を与えることで、細胞の防御能力が高めることを発見した。また、がんを抑制し、細胞に侵入したウイルスを殺す役割も果たしているという。

研究者らは「老化のフリーラジカル理論」は間違っていると言う。「実際には、フリーラジカルは老化と戦っており、その生成を増やすことで寿命を延ばすことができる。これはまた、アポトーシスシグナル伝達が老化を遅らせるメカニズムを刺激するために利用できる可能性を示している」。この研究論文は5月8日、「Cell」オンライン版に掲載された。

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