ファッショントレンドと皮膚がん増加が関連

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2014.10.9

国際部

米ニューヨーク大学は10月2日のニュースリリースで、社会経済要因、ファッションの流行とメラノーマ(皮膚がん)増加が関連しているとする研究結果を発表した。研究の詳細は「American Journal of Public Health」に「More Skin, More Sun, More Tan, More Melanoma」というタイトルで発表された。

悪性皮膚がんのメラノーマは、ほかのがんに比べて急速な増加が報告されており、これは早期発見率が上がったことだけでは説明できないという。David Polsky博士らの研究グループは、アメリカのメラノーマ症例の増加に何が影響していたかについて、1900年代からのファッション、社会通念、医療パラダイム、日焼け、経済動向、旅行パターンなどを調査・分析した。

日本では昭和の時代、日焼けは健康の象徴とされ、特に日焼けした子どもが好まれた。また、女性では露出の多い洋服や水着などの流行で、直射日光を受けることも増えていた。しかし現在、皮膚がんの予防のため、また美白ブームのためもあって、UVケアは一般的となっている。

世界のトレンドも、20世紀初頭には、頭のてっぺんから足の先までほぼ全てが隠れる服が、そして肉体労働の象徴である日焼けした肌より、陶器のような白い肌を上流階級の証として好まれていた。医療面では、「20世紀初頭に太陽の光は、くる病や結核の治療法と考えられ、一般的健康に良いものと考えられていた」とPolsky博士は述べている。この時期、UVに肌をさらすことの危険性はほとんど無視されていた。アメリカ国内の調査では、このような肌の露出の割合の変化とメラノーマの増加には関連が認められた。

メラノーマの罹患率は人種による差があり、特に白人で多く、黒人ではまれであることが知られている。日本では人口10万人に1~2人の発生率だが、近年増加傾向にあるともいわれている。

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