美白製品マーケティングに対する問題点
2015.01.26
国際部
オーストラリアのジェームズ・クック大学は1月21日、美白製品市場についての懸念を示したプレスリリースを発表した。
同大学のLynne Eagle教授によれば、インド国内で入手できる美白製品は240種以上、インド人女性の60%がこれら製品のいずれかを使用しているといい、これらの製品はオーストラリアでも簡単に入手することができたという。社会科学者や企業のマーケティング担当者は、どの文化においても肌の色が白いほうが、好まれるということはわかっていたが、その理由については明らかではなかった。
Eagle教授は「インドや中国では肌の白さは高いカースト(身分階級)に属していることを示し、ヨーロッパではココ・シャネルが日焼けした肌をコマーシャルで使うまでは、日焼けは労働者階級や低い身分と関連付けられていた」と述べ、色白を社会的な成功と関連付けるような広告は、道徳的な問題を引き起こすとしている。美白製品の需要を支えるような偏見は、メーカーが作り出したものではないが、批評家は製品のマーケティングによっては、その偏見を維持することになると懸念している。教授はこの点を問題視し、「白い肌が美しい」といったステレオタイプの論理へ警戒を表した。
健康へ懸念があっても、消費者は美白製品の使用をやめることができない。現状では、水銀などのような有害物質が含まれ、製造国で販売禁止されているものであっても、途上国に輸出されていたり、密輸されたりしている。