騒音でウエストサイズが増える
2015.05.29
国際部
騒音公害が肥満リスクを上昇させるというスウェーデンの研究結果が5月25日、「Occupational & Environmental Medicine」オンライン版に掲載された。
騒音が人体の代謝系に悪影響を与えることは知られているが、明確な証拠はなかった。この研究は、複数の原因による騒音が人体に与える影響を、肥満という評価基準で調査したもの。2002-6年にかけて、ストックホルム郊外に住む男女5075人を対象に、道路、鉄道、航空機からの騒音と肥満の関連について調査を実施した。
その結果、Lden5デシベル増すごとに、ウエストサイズが0.21センチ増加した。道路騒音では45デシベル以上で肥満度があがった。自動車、鉄道、飛行機の中では、自動車の騒音の影響がいちばん強いことがわかった。研究者らは、交通騒音は中心性肥満(腹部肥満)のリスクとなると述べている。
「Lden」は新しい騒音の評価基準で、「時間帯補正等価騒音レベル」のこと。早朝や夜間の騒音に重み付けをして評価するもので、国際的な騒音指標の主流になってきている。日本でも平成25年から航空機騒音の環境基準として正式に採用されている。