皮膚疾患治療の評価に患者視点を

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2015.06.29

国際部

医療の質の向上に患者の視点を入れようという観点から、慢性皮膚疾患の患者へのアンケート調査開発の研究が6月22日、「British Journal of Dermatology」オンライン版に掲載された。

開発されたアンケートはConsumer Quality Index Chronic Skin Diseases (CQI-CSD)。慢性皮膚疾患の消費者品質評価という65項目のアンケートだ。今回の研究では、慢性皮膚疾患で治療を受けた1160人の患者から回収された回答を分析した。

その結果、CQI-CSDの各質問項目と回答に相関性があることを意味する「内的整合性」が高いことがわかった(クロンバックのα係数0.74-0.92)。医師や看護師によって提供されるケアについては良い評価をしたが、医療関係者による治療情報について、またケアへのアクセシビリティと患者の見解についてはまだ改善の余地ありとした。研究者らはCQI-CSDが、患者からみた皮膚科ケアを評価測定するためのツールとして有効と結論した。

医療の質を測定する主なものには、手術数や生存率などがある。湿疹やアトピーなどに代表される慢性皮膚疾患に関する医療の質は、手術や生存率では計測できないため、このような患者アンケートが有効な診療領域かもしれない。

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