トウキを使った『女子パン』がリピーターに支持
2015.09.3
編集部
ヤマト運輸の特例子会社で、障害者雇用を行う株式会社スワン(東京都中央区)が展開しているスワンベーカリー 銀座店では、漢方生薬のトウキ葉を使ったパン『女子パン』(写真右)がリピーターの根強い支持を集めている。
トウキの学名は「アンジェリカ」といい、ヨーロッパ諸国では古くからその芳香が悪魔を退け、病気を治すと信じられてきたため、ラテン語の天使(エンジェル)からその名がつけられたという。そのため現在は、「天使のハーブ」とも呼ばれている。
トウキは通常、その根の部分が漢方薬として使用され、女性特有の諸症状に役立っている。しかし近年、葉の部分にも高い機能性成分が含まれていることがわかってきており、血行の改善、女性特有の貧血、冷え、更年期の不調などにも良いとされ、関心が高まっている。
同社がトウキ葉を使用したパンの販売をはじめたのは、2011年3月の東日本大震災がきっかけ。宮城県南三陸町の福祉施設が津波被害に遭ったため、薬用植物の栽培などを手がける株式会社アミタ持続可能経済研究所(京都府京都市)が被災地の復興と雇用確保のために、トウキの栽培を開始。その用途先として、スワンベーカリーに話が持ちかけられた。
スワンベーカリーは復興支援の一助にと、取引先である株式会社タカキベーカリー(広島県広島市)と共同で『女子パン』の開発に着手。2012年7月に最初の販売を開始した。トウキ葉は粉末に加工されたものをアミタから仕入れ、タカキベーカリーの生地を使ってスワンベーカリーが焼き上げる。
現在は、夏季限定商品として、夏野菜をトッピングしたパンにトウキ葉を加えているが、需要があればラスクとしての販売も可能としている。夏場は、オフィスの冷房で冷やしてしまった身体を温めるのにも『女子パン』はお勧めだ。
価格は1個200円(税別)。ほんのりとしたトウキの甘い香りが、夏野菜と程よくマッチングし、おいしく味わえる。
【所在地】
東京都中央区銀座2-12-15
Tel:03-3543-1066
【営業時間】
月~金曜 7:30~19:00
土曜 9:00~17:00
【定休日】
日曜・祝祭日
- 参考リンク
- スワンベーカリー