市販コーヒーの34%でカビ毒汚染
2015.11.2
国際部
ヨーロッパ圏で市販のコーヒーを対象にマイコトキシン(カビ毒)の調査を実施し、その結果が「Food Control」11月号に掲載された。
マイコトキシンはカビが産生する毒であり、コーヒーはマイコトキシン汚染の影響を受けやすい天然物として知られている。今回の調査では、ニバレノール、デオキシニバレノール、T-2およびHT-2トキシンなど18種類のマイコトキシンが存在しているかについて、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS / MS)で分析した。
その結果、ゼアラレノンは検出しなかった。フモニシンは58.62-537.45μg/kg、新興マイコトキシンは0.10-3569.92μg/kg、アフラトキシンは0.25-13.12μg/kgの範囲で存在が確認された。ニバレノールを除くトリコテセンは5.70-325.68μg/kgの範囲で確認された。ニバレノールは0.40-25.86μg/kgで最高濃度を示した。オクラトキシンAは1.56-32.40μg/kgで、欧州委員会(EC)で決められた上限を超えたサンプルが5つあった。
その他、カフェイン抜きのコーヒーはカフェインよりもマイコトキシン汚染率が高い。オクラトキシンAは調査サンプルの34%で検出。アフラトキシンは最も検出濃度が低い。などの結論を得た。
34%で汚染が確認されたオクラトキシンAは、AspergillusまたはPenicilliun属真菌などが産生する有毒の代謝産物。腎毒性、免疫抑制、催奇形性、腎発がん性を持つと言われ、牛や馬などの畜産飼料に用いるトウモロコシや麦類などの汚染が問題となっている。