中医から考えるダイエット方法を紹介
2017.04.13
編集部
中国文化センター(東京都港区)・株式会社誠心堂薬局(千葉県市川市)主催の「中華養生シリーズ講座 中医から考えるダイエット」が12日、都内で開催され、講師として登壇した同薬局 中医学アドバイザーで鍼灸師の趙貞華氏は、「基礎代謝を高めることで健康で痩せやすい体をつくる」として、体質別に具体的なダイエット方法を紹介した。
従来型のダイエット方法では、食事制限が厳しかったり、食材に飽きがあったり、逆にストレスをため込んだり、リバウンドしたりと課題が多かった。理想的なダイエットは、「“安全”“簡単”“長続き”“リバウンドしない”の4項目を満たすこと」(趙氏)と指摘。中医学を応用すれば、これらを満たした完全オーダーメイドのダイエット法が実現できるとした。
中医ダイエットでは、体質を改善することで、臓器の機能を高め、基礎代謝アップに導くことを目指す。厚生労働省の調べでも、消費エネルギーが最も多いのは基礎代謝の部分で、全体の70%を占めるという。運動による消費エネルギーは20%にすぎず、「基礎代謝を上げた方がよっぽど効率良くダイエットすることができる」(趙氏)。基礎代謝の内訳を見ると、肝臓や脳などの臓器が全体の63%を占めるため、「内臓の代謝を高めるのがポイント」(同氏)。
中医ダイエットでは、痩せることが目的ではなく、太りにくい体質を作ることが目的。そのため「痩せることは、(体質改善により)自然の結果としてついてくる」(趙氏)。また、体重を見ないで、体脂肪、内臓脂肪、体調を重視。食事についてはカロリーではなく、栄養バランスを大切にする。そこで、体質の改善を行うために、生命活動を維持する基礎物質である気血水(津液)の乱れを整える。
具体的には、気が不足した気虚体質の場合、穀類、いも類、豆類、きのこ類、朝鮮人参茶などによる食養生を勧めた。運動ではウォーキングや軽い室内トレーニングが良い。血が足りない血虚体質については、黒ゴマや黒豆などの黒い食物のほか、トマトやにんじん、ライチ紅茶などの赤い食物がお勧め。激しい運動よりヨガなどの有酸素運動をすると良い。水不足の陰虚体質の人には、酸味と甘味を併せ持つ食物が良く、例えばトマト、レモン、メロンなど。また、体に潤いを与えるスッポン、レンコン、白きくらげなどを挙げた。陰虚の場合は、汗を大量にかく運動は避けるようにする。
気が滞った気滞体質の場合は、「香りがポイント」(趙氏)として、春菊、三つ葉、セロリ、パセリなどの香味野菜のほか、ジャスミン茶やローズティーなどがお勧め。併せて、ストレッチ、ヨガ、太極拳など呼吸法を伴う運動を取り入れると良い。血が滞った瘀血体質の人には、ネギ、ニンニク、生姜などの辛味野菜や、イワシ、サバ、サンマなどの青魚が食養生になる。特に骨盤周りの血行を良くする運動を勧めた。
水(津液)が滞る痰湿体質については、食物繊維に富んだ玄米や雑穀、水分代謝を助ける海藻類、プーアル茶、ウーロン茶、ハトムギ茶などをお勧め食材として挙げた。運動としては、水泳やジョギングなどが適している。
趙氏によると、ダイエット成功の基本は、「自分の現状を把握(体質、ライフスタイル、性格)」→「(ダイエットに向けた)自分のオリジナルプランを立てる」→「継続」だという。「ダイエットをすることで、健康と自信を取り戻してしい」(趙氏)と訴えた。
- 参考リンク
- 中国文化センター
- 株式会社 誠心堂薬局