減量中の筋肉・骨量減少予防に効果的な運動とは?
2017.05.23
国際部
減量中の筋肉、骨量減少予防には有酸素運動とレジスタンス運動の組み合わせが有効だったという研究結果が5月18日、「New England Journal of Medicine」オンライン版に掲載された。
「(年齢に伴って)筋力や心身の活力が低下した状態」を「フレイル」といい、高齢化社会の問題となっている。また、この「フレイル」状態は身体活動が極端に少ない若年層にも見られることも問題となっている。今回の研究は、体重管理プログラム(食事療法)実施中の肥満高齢者 160 人を対象に数種の運動方法についての、フレイルからの回復と、減量による筋肉量・骨量減少の予防における有効性を評価した。有酸素運動、レジスタンス運動、有酸素運動とレジスタンス運動の組合せのいずれかのプログラムを併用する群と、対照群(体重管理プログラムも運動もなし)の計4グループに分け、6か月後の変化を測定した。評価項目は身体機能テストの点数とした。副次評価項目はフレイルの指標、身体組成、骨密度、身体機能の変化などとした。
その結果、身体的機能テストは有酸素運動+レジスタンス運動で最も高く、次いで有酸素運動のみ、レジスタンス運動のみとなった。筋力は有酸素運動+レジスタンス運動、レジスタンス運動のみで増加した。検討した運動法のなかでは、食事療法による減量に有酸素運動とレジスタンス運動を組み合わせる方法がもっとも有効と示唆された。