高所得者ほど「週末戦士」
2017.08.18
国際部
所得が多い人ほど活動的な週末を送っているという研究論文が出されたことが8月11日、アメリカがん学会(American Cancer Society)から発表された。研究の詳細は「Preventive Medicine」オンラインに掲載されている。
この研究はアメリカがん学会と米国テキサス大学健康科学センターおよびジョージア州立大学の共同研究によるもの。以前の研究では、高所得者ほど高強度の身体的活動を行う可能性が高いことが示されていたが、これらの研究は被験者の自己報告に依存しており、実際の運動レベルが誇張されていた可能性がある。今回は2003~06年の国民健康調査に登録された米国成人5206人のデータから所得水準との関係を探った。その結果、週末または休日にのみ運動をする人を指す「weekend warrior(週末戦士)」という俗語がある。今回の研究では、高所得者ほど「週末戦士」になる可能性が高く、平日は座っていることが多いことが分かったという。
年間所得20,000ドル未満の人と比較して、75,000ドル以上の人は中度から激しい強度の身体活動の1日につき4.6分に多いことが分かった。高所得者は、低強度の身体活動は9.3分少なく、座って過ごす時間は11.8分多かった。また、2日間ガイドライン(週末戦士)は1.6倍、7日間ガイドラインでは1.9倍ガイドライン推奨時間を満たす可能性が高かった。
運動施設の確保や理解のない職場環境など、所得は個人が運動することへの大きな障壁であることが示されており、低所得者ほど身体活動ガイドラインを満たす可能性は低いとされている。一方、高所得者はより多くの資源と運動場所を持っているものの、オフィスワークのような座位の仕事に就くことが多いとされている。