遺伝的に飲酒でやせたり太ったりということはない

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2017.08.31

国際部

飲酒と肥満と遺伝的要因の3つの関連を検討した研究が8月25日、「Nutrition Journal」オンラインに掲載された。アルコール摂取と肥満との関連を示唆した研究は多いが、縦断研究の結果は矛盾しており、肥満対策における遺伝的要因の重要性は考慮されてこなかった。今回、Glostrup University Hospitalの研究者らは、肥満とアルコール摂取および脂肪関連遺伝的要因との相互作用について検討した。

この研究の対象は、スウェーデン北部住民を対象としたMONICA研究、食事とがんの関連を調査したDCH研究、心疾患予防を目的としたthe Inter99研究に参加した男女計7028人。50種類の肥満・脂質関連SNPを4つのスコアにまとめ、体格指数(BMI)、腹囲(WC)、肥満度(WCBMI)および3つの形質を組み合わせた遺伝的要因を調査した。また、線形回帰を用いてアルコール摂取量との関連も調査した。

その結果、1日当たりアルコール12gを余分に摂取することが年間-18.0gの体重減少、および-0.3mmの腹囲減少と関連することがわかった。4つのSNPスコアはアルコール摂取との間に統計学的に有意な相互作用はみられず、脂肪過多尺度の変化とは関連していなかった。しかし、女性に限ってみれば、50種の全SNP完全スコアと体重、アルコール摂取との間に相互作用がみられた。男性間に有意な相互作用は観察されなかった。アルコール摂取と体重、腹囲などとの関連が遺伝的要因に依存しているという強い証拠はみられなかった。

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