肥満を慢性疾患として治療すべき理由

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2018.02.15

国際部

ダイエット成功後に感じる飢餓感の理由を探り、リバウンド対策の可能性を見出した研究結果が2月8日、ノルウェー科学技術大学からプレスリリースされた。研究の詳細は「American Journal of Physiology, Endrocrinology and Metabolism」に掲載されている。

同大学臨床・分子医学科のCatia Martins准教授らのチームは、肥満患者34人に2年間の肥満標準治療による試験を実施した。患者の平均体重は125キロ。最初の3週間は肥満専門治療センターに入院し、定期的な運動、さまざまな検査を受けた。また、栄養教育を受け、心理学専門家と話す機会を持った。2年後の計測で平均11キロの減量に成功していた。最初の3週間入院治療では約5キロ減量していた。Martins准教授によると、ほとんどの肥満者は自力で体重を減らすことができるが、維持できる人はわずか20%という。

なぜ、正常な体重が維持できないのかについて研究者らは、体重減少に抵抗する生理学的メカニズムの2つの要素を挙げた。1つはホルモン。減量に成功すると、飢餓ホルモンと呼ばれる「グレリン」が多く放出され、このホルモンにより私たちは空腹を感じる。このホルモンレベルは経時的に減少しないため、今回の研究参加者のグレリンレベルは2年間ずっと高いまま、つまり、ずっと空腹と戦っていた可能性が高いということになる。もう1つは、エネルギーを節約する身体の能力。正常な体重に減量し、その体重を維持するためのエネルギーが少なくて済むようになったとしても、体は体重を取り戻そうとするため、飢餓感を感じるという。研究者らは「肥満は慢性疾患ひとつとして治療されるべき」と述べている。

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