花王、化粧品事業の“新グローバルポートフォリオ”を策定

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2018.05.18

編集部

花王株式会社(東京都中央区)は18日、花王グループの化粧品事業における新たな成長戦略の柱として“新グローバルポートフォリオ”を策定したと発表した。カネボウ化粧品をはじめとするグループ内の5つの化粧品事業体が展開するブランド全体でポートフォリオを最適化し、ブランドマネジメントを強化する狙い。

“新グローバルポートフォリオ”は、『カネボウ化粧品』『ソフィーナ』『キュレル』『エキップ』『モルトンブラウン』の5つの化粧品事業を横串で策定したもの。グローバル戦略ブランドとして選定した、新ブランドを含む11ブランド「G11」については、トラベルリテール事業の強化を軸に、日本を含むアジア・欧州での育成を加速。また、日本を中心に重点育成していくブランドとしては、リージョナル8ブランド「R8」を戦略ブランドに定め、分散していた投資を集中させることで育成を図る。

「G11」では、プレステージ領域を最重点で強化する。例えば、カネボウ化粧品では、欧州で展開するスーパープレステージブランド『SENSAI』のグローバル化を加速。『ソフィーナ est』、『カネボウ化粧品 KANEBO』の両プレステージブランドは、それぞれ高付加価値アイテムの品揃えを拡大していく。

今後、『キュレル』については、日本、アジアにとどまらず、2019年以降欧米での事業展開を計画。『フリープラス』は、好調な中国に加えて、日本での育成と、アセアンへの導入により、アジア全域でのブランド強化を加速する。すでに日本で16年連続売上シェアNo.1の地位を盤石にしている『KATE』は、アジアNo.1メイクブランドをめざし、デジタル施策を強化しながら、アジアでのリアル店舗の拡大を推進していく。

さらに、従来の「プレステージブランド(高価格)」「マステージブランド(中価格)」「マスブランド(低価格)」という3つの分類を、「カウンセリングブランド」と「セルフブランド」に再編。ブランドの位置づけを明確にして、モノづくり、売り方を徹底的に見直していく。

「カウンセリングブランド」は、高度な専門教育を受けたプロフェッショナル美容部員などによる、カウンセリングを通じたお客へのカスタマイズ提案を前提とする、モノづくり・マーケティングに転換。一方で、「セルフブランド」では、特長が際立つスターアイテムづくりを進めながら、ブランドごとに最適なコミュニケーション施策・店頭施策を強化し、eコマースも積極的に活用していく。

これに合わせて、チャネル別ブランド戦略も見直す。従来の“チャネルありき”のブランド配置戦略から、お客の選び方、買い方に合わせた“お客ありき”のブランド配置に順次転換していく計画だ。

参考リンク
花王株式会社

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