【連載】化粧特許と知的財産権⑯アローゼ、海外事業に知財戦略生かす(下)

2019.08.6

特集

編集部

アローゼは、長い間、商標登録などの知的所有権については、特許事務所にほぼ丸投げの状態で、費用も時間もかかっていた。そうした中、海外展開知財支援プロデューサー制度を活用し、同プロデューサーのアドバイスや知財データベースを活用するなどして現在では、商標の調査、登録作業等を自社でこなせるまでになった。商標調査、登録作業を自社で行うことで、時間的な節約、コスト低減に繋げた。

同社は、海外事業をさらに拡大するため、アセアン諸国などとの販路拡大を目指しグローバル化に拍車をかける。
このため、国によって必要な書類や独自の対応が必要になることから、引き続き支援プロデューサーの指導・助言を仰いでいく方針。
ただし、支援プロデューサーの指導・助言を仰ぐ場合、中小企業にとって「何が事業を行う上で重要なのか」、「何が本当のリスクなのか」に気付いたうえで、自分たちでそれを解決することも一方で、求められる。

一般的に中小企業の多くは、知的財産という言葉は理解しているが事業と結び付けて考えている企業は少ない。
事実、特許を取得したものの、活用せずにお蔵入りしているケースが多い。特許や商標権などの知的所有権は、財産権として活用することで、新たな収益を生み出すことに繋がる。
その意味で、同社の海外事業に知財を事業戦略に生かす取り組みは、中小企業のモデルとして注目される。

同社の国内におけるスキンケア商品の販売ルートは、全国約2000件に上る旅館・ホテルの売店や風呂の脱衣所等に試供品を置き、そこで実際に使ってもらいながら、売店で購入する販売形式。また、海外は、中国をメインターゲットとして輸出販売している。今後、知財面から販路拡大による海外展開に力を入れる。

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