【連載】この中小化粧品会社に注目㉘ホルス(下)~天然研が化粧事業展開、人事・雇用に独自色~

2020.12.1

特集

編集部

ホルスを母体にしたグループ会社の中で、プラセンタ抽出エキスを化粧品に配合して自社ブランド化粧品を製造・販売しているのが化粧品会社「日本天然物研究所(天然研)」(東京都中野区)である。
設立は、1996年3月。原料会社ホルスが一般消費者からの販売を求める声に呼応して設立した。代表者は、原料会社ホルスと同一。
2020年10月現在の資本金は2000万円、社員数は、約81名、売上高約23億2000万円(見込み)に上る。

現在、自社開発の高級化粧品「ラメンテ」やヘアケア、プラセンタ美容液、医薬部外品、健康食品などを通信販売するとともに大手ドラッグストア(キリン堂、ツルハ、マツモトキヨシなど)やエステサロン、クリニック(皮膚科、形成外科、美容外科など)、デパート(高島屋、西武、京王など)等に卸販売及びOEⅯ・ODⅯ等を展開している。

社内組織は、素材選定、処方開発を担当する研究開発部門やマーケティング・容器等のデザイン等を担当する企画部門、製品の企画を担当する学術部門、それに営業、通販部門など全部で約10部門ある。
同社の人事や雇用面の特徴は、社名の影響から応募者の約7割が大学の理系出身者で占める。また、昔ながらの年功序列と実力主義の良いところをミックスした人事評価や役職の登用を行っている。

本社では 管理職の7割近くが女性で占める。また、工場では、管理職の約半分が高校・専門学校卒。さらに、定年制などにも特徴を持たせた。
65歳到達時に年金受給とのバランスを考慮して出勤日数や勤務時間を自分で選べるようにしている。
女性を多く登用しているため、結婚・出産・育児と仕事の両立という問題は避けられない。これを解消するため、育児期間はパートに切り替え、時間的な自由度を確保し、落ち着いたら正社員に戻ってもよいなど自由裁量を与えている点にユニークさがみられる。

2008年8月には、プラセンタエキスの開発や薬用プラセンタ等の開発・販売を行うブラン製薬を設立した。今後、持ち株会社への移行によるグループ統合への動きが注目される。

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