女性経営者連載2・クラブコスメチックス(下) ~ブランドごとに販売チャネルを確立~
2021.10.22
編集部
現在、クラブコスメチックスの事業は、自社ブランド化粧品の開発・製造・販売とOEM及び関連会社マリークヮントコスメチックス」(渋谷区、社長中山ユカリ氏)を2011年11月に設立)による化粧品とファッショングッズ等の輸入販売を行っている。
自社ブランド化粧品の研究開発は、研究部門で行っている。基礎研究として皮膚科学に基づく化粧品の有効性、安全性研究。商品・製剤開発は、基礎化粧品、メイクアップ化粧品等の新製品開発等を行っている。
いずれも皮膚のメカニズムを細胞・分子レベルで研究するとともに、有効性の高い原料の探究や新たな効能評価をもとに商品化。さらに新規成分の研究を繰り返し、学会を通じて発表を行っている。また、技術力・開発力を最大限に活かした処方設計を行い、科学的効果を確認。同時に、全商品のパッチ テストを行うなど、安全性を徹底している。
こうした研究開発によって誕生した現在の主な自社ブランドコスメは「クラブ」「サロンドフルーペール」「しぜん」「ディズイードル」の4品種。
主力ブランドの「クラブコスメチック」は、スッピンパウダー(写真)をはじめスキンケア化粧品「クラブアムチュアシリーズ」や「ワココシリーズ」「クラブロングセラーシリーズ」などアイテム約50品目を市場に投入。主に、バラエティショップやドラッグストア、スーパーマーケット、ウエブ通販等で販売している。
サロンドブルーベールは、基礎化粧品、メイクアップ、美白ケア、ヘアケア・育毛剤などを同社のフェイシャルサロン直営店「クラブビューティショップ」中心に販売している。また、地域資源の恵みを生かしたご当地コスメの触れ込みで「五島椿スキンケア」や奈良県産の和漢植物エキスを配合した「玉椿石鹸」などを商品化し「しぜん」ブランドでウエブ通販、地域土産店等で販売している。
2021年7月には、関連会社「マリークヮントコスメチックス」を通じて英国から輸入したカラースティックやアイライナー等をバラエティショップやECサイト等で販売している。
このように化粧品販売は、ブランドごとに販売チャネルを確立し、ユーザーオリエンテッド主導の販売体制を構築したのが大きな特徴といえる。
同社の業績は、2020年度で約67億円の見込み。社員総数は、約434名(2020年12月)。今後、老舗企業としての伝統を守りながら、新たな経営戦略をいかに打ち出してさらなる成長を図っていくか、新たな潮流に関心が高い。