女性経営者連載4・フェアリズム(上) ~化粧品研究で培った経験をバネに独立~

2021.10.28

特集

編集部

フェアリズム(東京都中央区)社長鈴木智恵美氏は、高度な技術と確かな実績を持つラボ「皮膚臨床薬理研究所」(皮膚研)と共同開発した化粧品誕生を契機に、25年間、勤めていた会社の化粧品研究員をやめ、2018年12月に会社を興して起業化した。

独立開業は、皮膚研の技術を移転(テクノロジートランスファー)し皮膚研のチームと組んで共同で肌の構造と同じラメラ構造のスキンケア「ラメラ ラメリ」(美容液=写真)を開発した。

ラメラ構造のスキンケア「ラメラ ラメリ」は、皮膚研が保有する特許技術「ラメラテクノロジー」などを応用して開発した。

ラメラ構造とは、皮膚の一番外側の角質層にある細胞間脂質は、油と水が何層にも重なったミルフィーユ(千枚の葉っぱの意味)状の構造をしている。

この構造をラメラ構造(細胞間脂質類似構造)といい、肌のバリア機能と体内の水分を逃さないようにするための重要な役割を担っている。

このラメラ構造をした「ラメラ ラメリ」は、皮膚研が保有する特許技術「ラメラテクノロジー」を応用して開発した。

ラメラテクノロジーは、ラメラ構造の製品開発を可能にした乳化技術のこと。 従来の製品は、粒子状になっているのに対し、ラメラ構造の製剤は、層状に折り重なっているのが特徴。

ラメラ構造製剤の経皮吸収度についてラメラ構造クリームと一般的な粒子系クリームの経皮吸収度を比較検討したところ一般的な粒子系の製剤に比べてラメラ構造製剤は、酢酸トコフェロールの経皮吸収度が2倍近くあることを確認した。

ラメラ構造製剤は、時間が経つほどに潤いが増すことも実証されている。ラメラ構造製剤を用いて、保湿の持続力の測定評価を実施した。塗布後2時間経時より、4時間経時の時の値が高くなっていることから保湿の持続性があることが確認されている。

セラミドを乳化状態で安定配合することも可能。ラメラ製剤は、水相と油相が交互に重なり合う構造をとっているため、水溶性・油溶性の薬剤の両方を入れた製剤で安定な構造をとることができる。

こうしたラメラテクノロジーによって肌の細胞間脂質と類似構造を持った化粧品の開発を実現した。

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