【連載】台頭する創薬・再生医療ベンチャー【12】ファーマフーズ、4ヵ年計画スタート、売上高50億円目指す
2014.01.30
編集部
“医薬と食の融合”をコンセプトに機能性素材、通販、創薬の3つの領域で事業を展開する株式会社ファーマフーズ(東証マザーズ)は、2014年7月期から2017年7月期までの中期4ヵ年経営計画をスタートさせた。最終期の目標として売上高50億円、営業利益15億円を目指す。この数値目標を達成するため、新規の機能性素材の開発強化や機能性商品を国内、海外外市場で拡販を図るなどして収益目標を達成する。
現在、同社は、機能性素材、通販、創薬(バイオメディカル)の3領域で事業展開。2013年7月期の業績は、売上高15億2400万円、営業利益2億1700万円、当期利益2億6900万円と増収増益を実現した。しかし、国際化の進展や事業の再構築を図る狙いで新たに中期計画をスタートすることにした。
同計画では、最終期(2017年7月期)の売上高目標を2013年7月期実績比3.3倍の50億円、営業利益同6.9倍の15億円を目指す。また、最終期の売上高50億円に占める事業別売り上げは、金額ベースで機能性素材事業20億5000万円(13年7月期実績比95.0%増)、通信販売事業14億円(同140%増)、創薬事業13億円(13年7月期実績なし)、その他事業2億5000万円(同44.8%減)を計画。
事業別の具体的計画として機能性素材事業では、花粉症の緩和など抗アレルギーを標的とした抗体開発を強化し事業化に繋げる。また、同社の基幹技術「鶏卵抗体」(ホボブロン)を生かして食品、化粧品素材の用途に加えて未開拓領域の糖鎖食品や医薬品の素材開発に力を入れる。さらに、機能性素材の国内営業では、これまでのサプリメントメーカー中心から食品、飲料大手企業にシフトした営業を展開。一方、海外では、北米市場で、サプリメント「ファーマギャバ」に加えて米バイオメディカ社との技術提携に伴う鶏卵抗体の生産・販売を構築するなどして売り上げ拡大を図る。米市場同様に中国、韓国、東南アジア市場でもグローバル化を加速する。
こうした一連の施策で、同事業の売り上げ規模を最終期に国内12億5000万円、海外8億円の達成を目指す。
2012年8月から消費者サイト「たまご基地」を運営する通販事業では、機能性素材を使用して商品化を図ったひざ関節用サプリメント「タマゴサミン」(写真)や化粧石鹸「珠肌石鹸」に続いてロコモティブ症候群、美白・シワ予防などの新商品を投入し商品のラインナップによる顧客単価の向上を図る。最終期にたまごサミンの顧客獲得4万人獲得目指しテレビCMなどを強化する。
創薬事業は、現在、国内研究機関と共同で進めている悪性腫瘍プロジェクトと関節リウマチプロジェクトによる治療用抗体医薬品を開発して特許を共同で取得し、製薬企業へのライセンス供与を行なう。現在、創薬事業の売り上げは、ゼロ。最終期の創薬事業の売り上げ目標は13億円を見込んでいるが目標通り達成できるか、注目される。
同社は、1997年9月に京都府にファーマフーズ研究所を設立。2004年10月に現社名に変更。2006年6月、株式公開した。
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