連載・新興市場上場の美容業界各社の経営・事業動向に迫る【4】アイケイ、TVショッピングのプライムダイレクトを買収
2014.09.30
編集部
化粧品や健康食品、服飾品など生活用品を主体に通販事業を展開する株式会社アイケイ(愛知県名古屋市、ジャスダック上場) は、TVショッピング事業を展開する株式会社プライムダイレクト(東京都港区)を企業買収手法の簡易株式交換により買収・子会社化(9月10日付)した。通販事業の収益拡大が狙い。
プライムダイレクトは、TVショッピング事業に特化した株式会社プライムダイレクトホールディングス(HD)の100%子会社として2014年7月に設立。プライムダイレクトHDから地上波、BS、CSの放送枠、顧客の譲渡などを受けてTVショッピン事業を行なった。しかし、プライムダイレクトHDは、商品企画・開発力の機能を持っていなかったことから商品の調達コストによる原価率がアップし、赤字状態にあった。プライムダイレクトHDの2013年12月期業績は、売上高2億2,400万円、営業利益、最終利益ともに8,900万円の赤字。
そこで、アイケイは、新たな販売チャネルとして有望なTVショッピングに目を付けて、赤字状態のプライムダイレクトHDに白羽の矢を当て、実際、TVショッピング事業を行なっている子会社のプライムダイレクトを買収して傘下に収めた。
アイケイは、子会社化したプライムダイレクトに対し、自社開発商品(PB)やメーカーベンダーの業態でメーカーなどから調達した商品をTVショッピング商材として供給することで、原価率改善による黒字化を目指し、通販事業の収益向上に繋げる。同時に、中期的にPB商品の売上比率を6割に引き上げる方針。
同社は、1982年5月にアイケイ商事として創業し、1990年4月に現社名に変更。以降、地域生協との取引を本格的に開始し、生協会員に対しオーガニック洗剤、野菜カルシウム、化粧品などのPB商品やメーカー開発の生活用品などを仕入れてメーカーが抱える会員向けに代行販売するなど急成長。2004年2月にジャスダック市場に上場した。
現在の主力事業は、自社開発した化粧品、健康食品などのPB商品やメーカーベンダーの業態でメーカー開発の生活用品などをカタログ、ネット通販で販売する通販事業と主要都市の駅ビル中心に出店(前期末店舗数、直営店24店、FC店1店舗の計25店舗)して化粧品を店頭販売する子会社株式会社フードコスメ(2009年6月設立)によるスキンフード事業、それに、コンタクトセンター構築に係るシステムの開発・販売を行なうCRMソリューション事業(子会社アルファコム担当)の3事業を中心に事業展開。
前期(2014年5月期連結)売上高119億6,000万円に占める通販事業の売上高は、104億8,300万円、売上比率87.7%となっている。
今期(2015年5月期)業績(連結)予想は、売上高124億6,000万円、営業利益2億5,000万円、利益1億3,000万円を計画。
今度のTVショッピングの子会社化に伴う新たな販売チャネル獲得によって通販事業にどの程度、収益貢献するかが焦点。同時に、前期にブラックシュガーやハ二-マスク(写真)などの新規化粧品を投入し、接客サービスの向上や既存店舗のビジュアル化、本部スタッフの店舗支援強化などに取り組む子会社株式会社フードコスメによるスキンフード事業の収益向上が注目される。
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