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(56)ファンケルの会社研究 ~前期化粧品売り上げ660億円、ボウシャの海外展開強化~(上)

株式会社ファンケル(神奈川県横浜市)は、2013年3月1日付けでカンパニー制に移行し、化粧品部門および健康食品部門を会社分割(簡易新設分割)して化粧品事業を担当する新設子会社「株式会社ファンケル化粧品」と健康食品事業を担当する「株式会社ファンケルヘルスサイエンス」を設立した。

現在、同社の化粧品事業は、連結決算子会社のファンケル化粧品が基礎スキンケアやメイク、ヘアカテゴリー製品をネット通販、カタログ通販、直営店舗、ドラッグストア・コンビニ等への卸販売を行なっている。また、40歳代の顧客をメインに一流ブランドを3分の1の低価格で提供するアテニア化粧品については、連結決算子会社の株式会社アテニア(神奈川県横浜市)が担当しネット通販、カタログ通販、直営店舗等のチャンネルで販売している。

米国子会社「ファンケルインターナショナル」が事業を担当する海外向け専用スキンケアブランド「ボウシャ」は、米国内で化粧品専門店「セフォラ」(卸販売)を中心に取り扱っている。2018年7月からは、セフォラに加えてノードストロームなど有名百貨店、約1000店の店舗を持つ美容専門店アルタやアマゾンなどでも販売するなど販売チャネルを拡大し、販売攻勢をかけている。
ファンケルは、2018年度を「グローバル化元年」と位置付けて進出地域を拡大し、欧州、中近東などにも順次、進出する方針。

同社の化粧品事業は、前期(2018年3月期(連結))で売上高が前期比16%増の660億4800万円となった。
化粧品別売り上げは、ファンケル化粧品がマイルドクレンジングオイルのリニューアルや基礎スキンケアの顧客増加などで510憶9100万円を実現。化粧品売上高に占める構成比率が77.4%となっている。また、アテニア化粧品は、新製品の寄与やウエブ活用によるコミュニケーションにより顧客増加で売上高110億4100万円となった。第3のブランドボウシャは、8億500万円の売り上げとなっている。
同期における販売チャンネル別売り上げは、通信販売が274億800万円、店舗販売238億2200万円、卸販売・その他66億3800万円、海外81億7900万円。

今期(2019年3月期)の化粧品事業については、子会社ファンケル化粧品にて基礎スキンケア、メイク、ヘアケアカテゴリの製品や60代以上のマチュア世代向けブランド「ビューティブーケ」の販売を強化するとともに、マイルドクレンジングオイルの20周年キャンペーンなどを実施し収益を高める。アテニア化粧品では、革新性・独自性のある製品を絶え間なく投入し、顧客の拡大を図る。また、第3ブランドのボウシャは、北米での販売を更に強化するとともに、2019年3月期を「グローバ化元年」と位置づけ、新たに欧州、中近東へ進出する。このような取り組みを通じて化粧品関連事業は、増収を見込んでいる。

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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