【連載】この中小化粧品会社に注目㊹イービーエム(下)~経営の羅針盤を明確に示す必要あり~

2021.03.12

特集

編集部

イービーエムは、スキンケアスタジオで培った化粧品開発の実績を踏まえてユーザーに対し、ターゲットや戦略合わせたオリジナルブランドの企画・開発からパッケージデザインまでトータルに提案するOEⅯ事業を行っている。また、皮膚科医や薬局などの専門機関から百貨店、TV通販まで幅広く自社商品を卸販売するなど拡販を図っている。

海外事業として1992年、台湾においてスキンケアスタジオのFC展開に乗り出す一方、海外での美容展示会等に出品して販路拡大に打って出ている。
こうした海外での活躍が認められてマレーシアを拠点とするアジア優秀企業家連盟(AEEF) が主催するアジア18 か国の中から優れた商品やビジネス、個人を表彰する『Asia Honesty Award 2019』において同社は、信頼性が認められた企業に贈られる「Asia’ s Top 100 Honesty Brand Award」で「企業賞」「企業家賞」「商品賞」の3賞に加えて「アジアTop100ブランド賞」を受賞するなどの栄誉に輝いた。

同社は、役員と管理職の女性比率が97%に達し、育児休業取得率も100%に上る。2019年には、女性が活躍し、子育てサポート企業として厚生労働省から「くるみん」の認定を受けている。

このような幅広い多角事業が奏功して同社の業績は、2019年5月期で売上高約55億円、社員数約700名に上る。
だが、新規化粧品の開発における技術開発力や海外におけるスキンスタジオのFC展開、OEⅯの受注拡大策等についての具体的な戦略が見えない。

自社開発のスキンケア化粧品の成分や機能、特徴等を踏まえて肌への影響、安全性、品質、効能、効果等に関わるエビデンス(実証)を明らかにすることが羨望される。

オリジナルのスキンケア化粧品を使ってスキンケアスタジオで性能や品質を評価分析しながら化粧品販売につなげる事業面での特徴がみられる。しかし、化粧品の独自技術を確立して商品化に繋げているのか、技術開発についての施策が不透明だ。また、コロナ禍で経営を取りまく環境が悪い中で先行きの成長をどのように描いているのか、中期経営計画の立案と事業の成長を具体的に見せて欲しい。その期待が増している。

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