アールテック・ウエノ、東北大と共同研究成果を眼科学会で発表

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2014.04.10

編集部

創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ(ジャスダック上場)は、網膜色素変性治療薬「ウノプロストン」(商品名、開発コードUF-021)のドラッグデリバリーシステム(薬物伝送システム)について東北大との共同研究成果を日本眼科学会総会(2014年4月2日開催)で発表した。発表は、東北大学大学院医学系研究科の永井展裕助教が「経強膜持続投与デバイスによる網膜保護の可能性」についての研究と成果を明らかにしたもの。

研究では、光硬化性樹脂を基材とした経強膜持続投与型デバイス(網膜刺激型の人工視覚デバイス)とマルチ(合剤)デバイスを使って網膜色素変性治療薬「ウノプロストン」と補捉剤(エダラボン)の単剤および網膜光障害を起こしたラットをモデルに検討を行った。その結果、プラセボ(偽薬)添加時に比べて光障害による網膜の機能測定値(網膜電図波形値)が低下せず抑制することを確認。同時に、マルチデバイスが各薬剤のシングルデバイスに比べて相乗的に網膜保護効果を示した。

この研究成果についてウノプロストン(点眼液)の第3相臨床試験を進行中の同社は「ドラッグデリバリーシステム製剤の開発に道を開くもので、高齢者や視力が弱い患者でも頻回点眼の可能性が大きい」と期待を込める。

網膜色素変性は、遺伝性の疾患で、厚労省が難病に指定している。国内患者数は、約3万人にのぼると見られているほか世界での患者数は、139万人と推計されている。現時点で治療薬や治療法が確立されていない。

参考リンク
アールテック・ウエノ

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