金魚鉢の藻から新しい食品成分ができるかも

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2014.05.7

国際部

英国の食品基準庁(FSA:Food Standards Agency)は5月1日、ヒカゲノカズラ(Lycopodium clavatum)の胞子の殻について、食品成分としての認可申請があったことを発表した。この件に関するFSA傘下の新規食品及び生産工程に関する諮問委員会(ACNFP)の案に対しての意見を、2014年5月10日まで募集している。

ヒカゲノカズラはシダ科の植物で、日本では北海道から九州の各地で一般的に見られ、22種類が確認されている。世界でも温帯から熱帯地域に広く分布し、130種類以上が確認されている。日本では9-10月ごろに胞子を集め、製剤用または工業製品などに「石松子(せきしょうし)」の名前で利用されている。りんごなどの果樹栽培における受粉用の花粉増量剤、金魚の産卵藻、マスクの性能試験、花火や火薬の混合材などが現在の主な用途。食用に使用されていた記録はないが、中世の西洋では避妊薬、また傷口に塗って血止めなどに利用されていたそうである。

ヒカゲノカズラ胞子の殻は、非常に硬く、分解されにくいス有機物のスポロポレニンでできている。この安定した性質を活かして、シリアルやダイエット食品などの機能性成分を、より効果的に機能させるための添加材として期待されている。

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