【連載】化粧品各社のイノベーション研究【24】大塚製薬④ ~健粧品業績好調、韓国でウル・オスブランド浸透~
2016.05.20
編集部
大塚製薬を中心とする大塚ホールディングス(HD)の前期決算(2015年12月期連結)は、売上高1兆4452億2700万円、営業利益1518億3700万円、利益840億8600万円となった。
前期における健粧品(コスメディクス)事業は、2015年3月に「ウル・オス 薬用リフレッシュシート」をリニューアルし、身体・顔の各部位に応じた2つのふき取りシート「ウル・オス 大人のボディシート」、「ウル・オス 大人のフェイスシート」(写真)を発売。続いて8月には、ペンタイプのシミ対策製品「薬用スキンホワイトニング」を新発売し、売上は堅調に推移した。
また、韓国でのウル・オス販売は、男性の化粧品需要の増加を反映してブランドの育成が進み、売上が増加した。
通販用女性向けスキンケアブランド「インナーシグナル」は、新規顧客とロイヤルユーザーの拡大により、売上が前年比で増加した。しかし、健粧品事業の売上は、ニュートラシューティカルズ関連事業として合算されているため、健粧品単独の売上は公表していない。ちなみに、前期におけるニュートラシューティカルズ関連事業における研究開発費は、50億7700万円にのぼる。
同社の今期(2016年12月期連結)決算は、売上高1兆2500億円(前期比-18.5%)営業利益700億円(前期比-53.9%)、利益500億円(前期比-40.5%)と減収減益を見込む。
一方、同社は、2014年度を初年度に2018年度までの5ヵ年経営計画を推進中。業績の目標として2016年度売上高1兆1900億円、営業利益1000億円、利益700億円を見込む。また、2018年度の業績目標は、売上高1兆4400億円、営業利益2000億円、利益1400億円を見込んでいる。
この5ゕ年計画の中で、健粧品を含むニュートラシューティカルズ関連事業については、製品戦略・研究開発、生産、マーケティング・営業、流通のバリューチェーン全体の経営資産を抜本的に見直す。また、グローバル展開製品については、既存の展開国でのブランド構築により成長を加速すると共に、ネットワークを重視した新規市場進出を継続する。
これらグローバル展開の加速と新製品の育成、経営資産の見直しを通じてニュートラシューティカルズ関連事業の構造を抜本的に改革し、早期に営業利益率10%達成を目指す方針だ。