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【28】スクロール② ~「豆腐の盛田屋」が化粧品事業を牽引、年商100億円目指す~

通販会社スクロールは、企業買収によって化粧品事業を強化・拡大するなどのイノベーションを図った。2010年4月に国内・海外のブランド化粧品を販売するECサイト「コスメランド」を運営する株式会社イノベート(島根県浜田市)を買収し、連結子会社とした。続いて2012年3月にスタイライフの子会社で「豆腐の盛田屋」ブランドで化粧品販売を行っていたハイマックスを買収し傘下(子会社)に収めた。2013年8月にハイマックスの社名を「豆腐の盛田屋」(福岡県福岡市)に変更した。

現在、スクロールの化粧品事業は、企業買収によって子会社化したイノベ―ト、豆腐の盛田屋の2子会社が牽引して事業を展開している。特に、豆腐の盛田屋は、化粧品メーカーとしてバラエティショップやドラッグストア等に卸販売するなど、通販以外の流通チャネルを拡大し販売を強化している。

現在、豆腐の盛田屋が取り組んでいる化粧品事業(健粧品事業)は、生協向け化粧品「豆花水」の展開に加え、「豆乳スキンケア」や「しゃくなげ花酵母豆乳せっけん」、保湿成分を新配合した「しゃくなげ花酵母エキス」、「豆乳ヨーグルトパック玉の輿」など、3ブランド合わせて約40品目にのぼる。
いずれも通販市場に加えてバラエティショップやドラッグストア向けに卸販売しているもので、通販と卸販売の相乗効果を発揮している。
すでに中軸商品の「豆乳ヨーグルトパック玉の輿」は、2016年3月期で200万個、約40億円を販売したとみられる。また、市場投入10年を経過したヨーグルトパックは、5分でパックできる手軽さが受けて、累計販売120万個を超えた。さらに、薬用ドクダミ、赤大豆、シャクナゲ花酵母などの豆乳石鹸シリーズも累計250万個を超えるなど、好調な売れ行き状況にある。

豆腐の盛田屋では、化粧品について3年以内にも小売りベースで売上高100億円を目標に掲げる。
そのための戦略として
①生協組合員に加えて農協組合員への販売を新たに開始
②テレビCMやウェブ動画などを活用した販促を強化
③小売り強化策として、海外旅行者の爆買に対応した旅行者の取り込みを強化
④中国や東南アジアなど越境電子商取引(EC)への取り組みを行いグローバルな展開を加速する計画

ともあれ、豆腐の盛田屋は、通販と卸販売の相乗効果をさらに発揮するためには、今後、新素材、処方の開発と新商品への応用開発など、技術面での強化が求められる。

ヌーヴェル日本版(LNE)公式サイトwith美容経済新聞 2025年6月正式リリース!

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加藤勇

顧問記者/ジャーナリスト

元日刊工業新聞編集局部長。欧州、米国特派員を含め記者歴通算45年。ベンチャー、中小・金融政策専門経済ジャーナリスト。「レバレッジ金融至上主義の崩壊」など著述多数。本誌では主に、経済部門、企業取材を担当。

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