多価不飽和脂肪酸で太りにくい体になる可能性
2017.05.17
国際部
健康に良いとされる多価不飽和脂肪酸のさらなる健康効果の研究について5月8日、スウェーデンのLund Universityオフィシャルサイトからリリースされた。これまでの研究では、多価不飽和脂肪より飽和脂肪の多い食事は、脂肪が多く筋肉が少ない体を作ることが示されている。今回の研究では、食事に含まれる脂肪の選択は、エピジェネティックな変化を引き起こし、脂肪蓄積の差に寄与する可能性があることが示された。
多価不飽和脂肪酸(PUFA)は、ドコサペンタエン酸 (DPA)、ドコサヘキサエン酸 (DHA)、リノール酸などに代表される、健康に良いとされる油脂。2014年に発表された「マフィン研究」は、多価不飽和脂肪のひまわり油で作られたマフィンを食べたグループが飽和脂肪のパーム油を使った群に比べてより多くの体重を減らせたことで、多くの注目を集めた。
今回の研究では、「マフィン研究」参加者の脂肪組織のエピジェネティックな変化を調査。飽和脂肪または多価不飽和脂肪のどちらを食べたかによって、3000以上の遺伝子(ヒトに存在する約25000のうち)のエピジェネティックパターンがそれぞれ別の変化を示したことが明らかとなった。研究者らは「脂肪のタイプに応じて発現したエピジェネティックな変化から、飽和脂肪が脂肪蓄積プロセスによりマイナスの影響を与える可能性があると考えられる」と述べた。