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ハウスダストが肥満の原因となりうる

ハウスダストは脂肪細胞の増殖を促進するかもしれないという研究結果が7月12日、アメリカ化学会(American Chemical Society:ACS)のサイトで発表された。詳細は同日、学会の機関誌「Environmental Science & Technology」に掲載された。

フタレートおよびビスフェノール-Aなどの内分泌かく乱化学物質(EDC)は、人の生殖機能、神経機能、免疫機能に潜在的影響を与えるものとして知られている。そして、動物研究では、若干のEDCに早期に暴露すると体重増加が起こることが確認されており、肥満を引き起こす環境因子「obesogens」と呼ばれている。各国の規制によって消費財へのEDCの使用は減少しているものの、ハウスダストとして吸入、摂取、皮膚吸収されるものについては研究が少ない。米国環境保護庁(US Environmental Protection Agency)では、子供たちは毎日50ミリグラムのハウスダストにさらされていると推定している。

今回の研究は米国ノースカロライナ州の11の家庭からハウスダストサンプルを採取し、トリグリセリド(中性脂肪)の蓄積との関連を、マウスを用いて検討した。11のサンプル中7つから前脂肪細胞を成熟脂肪細胞に成長させる成分が確認された。9つからは細胞分裂を促す成分が確認された。これらの効果を示す抽出物が確認されなかったのは1サンプルのみだった。このモデルで試験された44種のハウスダスト汚染物質の中で、ピラクロストロビン(農薬)、難燃剤TBPDP、および一般的に使用される可塑剤であるフタル酸ジブチル(DBP)が最も強い脂肪生成効果を示した。これらの物質の人体への影響は、子供たちが日常曝露されている量よりもはるかに少ない3マイクログラムから測定できた。

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橋本奈保子

顧問記者(国際情報、薬事・医療ニュース)

名古屋大学大学院、英国Durham University, Graduate School 卒。編集者、ライターを経てフリージャーナリストとして独立。専門分野は、医学・化学関連。また、同分野を中心に翻訳、ウェブコンテンツ・ディレクターとしても活躍中。 本誌では主に、米国欧州を中心に先端美容医療、化学、米FDAなどの情報を担当。

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