堺化学工業、化粧品向け酸化チタンが好調に推移
2018.06.11
編集部
無機化学工業製品などの製造販売を手掛ける堺化学工業株式会社(大阪府堺市)は11日、2018年3月期決算説明会を開催し、化粧品向け酸化チタンが好調に推移していることを明らかにした。「国内の大手化粧品メーカーへの拡販が実った」(取締役 経営戦略本部 副本部長の佐野俊明氏)ことなどが背景にある。
2018年3月期通の酸化チタン・亜鉛製品部門の売上高は前期比13.3%増の157億5800万円、営業利益は同12.5%減の6憶2400万円となった。このうち、化粧品向けの売上構成比は9%、利益構成比は4%となっている。
酸化チタンについては、原料価格が高騰しており収益性が低下している。そこで「顔料酸化チタンは昨年9月に価格転嫁を開始して、今年3月末に価格転嫁が完了した」(代表取締役社長の矢部正昭氏氏)ものの、今後の対応については課題として残した。
2018年3月期通期は日焼け止め向けで大手化粧品メーカーへの拡販が実現したほか、海外の新規採用もあった。「欧州アイルランドのメーカーで火災事故があり供給がストップしたことと、国内の同業者が海外向けをセーブしている」(矢部氏)ことが、海外売り上げ増への追い風になっている。
日焼け止め向けについては、国内におけるインバウンド需要に限らず、「世界的に需要が旺盛」(矢部氏)との見方を示し、引き続き出荷拡大が期待できるとの見通しを示した。
化粧品向け材料は小名浜工場(福島県いわき市)で生産しており、生産能力を現行の2倍に引き上げる工事を3月末に完工。現在は「フル稼働中で、順次増強を進めている」(佐野氏)。
2019年3月期については、酸化チタンなどを含めた化学事業の売上高として前期比約40億円増の815憶円を見込む。この約40憶円増の内容としては、「電子材料、化粧品材料、触媒の3事業で66%(約25憶円)を占める」(矢部氏)とした。
- 参考リンク
- 堺化学工業株式会社