重度肥満の糖尿病患者、肥満外科手術で血管疾患抑制効果大

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2018.10.29

国際部

肥満外科手術による血管疾患発症抑制効果は2型糖尿病患者で大きいという研究結果が10月16日、「JAMA」オンラインに掲載された。

ルー-ワイ胃バイパス手術、胃切除術、調節性胃バンディング手術などの外科的な肥満手術は、減量に効果があるだけではなく、脳卒中や心筋梗塞などの血管疾患の発生を抑える効果がある。これら血管疾患は2型糖尿病患者の罹患率が高く、死亡率の主要原因となっていることも知られている。また、糖尿病患者における心血管疾患の問題は、生活習慣の改善を含む医療的管理ではリスクを低下させることが難しいことも報告されている。

今回の研究は、2型糖尿病であり重度の肥満でもある患者5301人を対象に、肥満外科手術による冠動脈疾患および脳血管疾患の抑制効果を遡及的に調査した。対照は、通常の糖尿病治療とした。その結果、肥満手術グループは、5年後の大血管合併症例の発生率が低かった(手術グループ2.1%、非外科手術グループ4.3%、ハザード比0.60)。冠動脈疾患の発生率も手術グループで低かった(手術グループ1.6%、非外科手術グループ2.8%、ハザード比0.64)。脳血管疾患の発生率には有意差はなかった。研究者らは、糖尿病を持つ肥満患者への肥満外科手術の潜在的役割について話し合うべきとしている。

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